久しぶりに友人と会う約束をして,日程を合わせる。
友人「16日空いてる〜?」
私 「ごめん,高知行くねん。」
友人「また高知〜?高知すきやなぁ(笑)」
そうなんです。高知好きです。
今年のクジラ撮影の締めくくりとして,高知に行ってきた。
秋のシーズンの土佐湾では,去年と一昨年にニタリクジラが大群でいるのが発見されている。
海の透明度も上がるということで,このシーズンに高知に行くことにした。
14日,出発。
テレビでは,淡路島と徳島に大雨洪水警報の速報。15日も天気があまりよくなさそう・・・。
「一応明日は出航の予定です!」と連絡をもらったので,そのメールに望みをかけて出発。
でも・・・,警報って,やっぱり警報なんだなぁ。
車を運転していて,前が見えない!道路が悪くて水たまりにタイヤを突っ込もうものなら,
水しぶきがフロントガラスにかかって,一瞬ほんとに前が見えない。
我ながら「よくやるなぁ」と思いながらも,なんとか無事に高知の黒潮町へ。
かなりの緊張状態で運転していたからか,明日出航するか不安だからか,めずらしく寝付きが悪かった。
・・・
15日朝。
ドキドキしながら,部屋の窓を開けて外を見る。いつもこの瞬間が緊張する。
宿から見える海は,ちょっとうねりがありそうだけど,船は出れそうな感じ。
風もほとんどないし,雨も降ってない。
ウォッチングのスタッフの子から「本日出航します!」のメール。
ほっと一安心で,出発の準備を進める。
今回は,「大群ツアー」という名の一日ウォッチングツアー。
メンバーも,顔なじみの方も多い。クジラ好きの人たちは,必ずどこかでつながる。
いざ海へ。
やっぱりうねりがすごい。船がゆれるゆれる。
白波もすごくて,クジラを探すには悪条件。
出航から約3時間。前方にすごい鳥山!クジラがいてくれたらいいなぁと思ったら,ブローが!
「いたぁ〜〜〜〜〜!」
鳥がばしゃばしゃと水中に,しばらくするとシイラが飛び跳ねてる!
水面が白くなったと思ったら,ニタリクジラが体を横にして口をあける。
最後には,サメまで出てきて魚にたかる。
目の前に広がる海の動物の生命力と力強さが,ずしっと心に響いた。
写真はというと・・・,こういう光景は,水中に入らない限りなかなかとらえられない・・・。
う〜〜〜ん,やっぱり水中だなぁとひしひしと痛感。
でも,やっぱり「嵐の後の海は何かがおこる」。
・・・
16日
この日も,同じポイントでニタリクジラを発見。
前日とは違って,比較的まったりとしている。
波が高いからか,クジラは15分潜って,2〜5分水面にあがってくる。
私が初めてシロナガスクジラを見たときも,7分潜って,2分水面に上がってきてた。
その時は,シロナガスを初めて見た興奮と感動で,上がってくるのを待っている7分間も
幸せな時間だったことを思い出す。
クジラウォッチングは,ただ見たり写真を撮ったりするだけじゃなくて,
クジラの生活に少し触れることができるのもまた醍醐味だと思う。
写真を撮ることばかりにとらわれてしまいがちだった私に,今回のニタリクジラは,
それだけじゃないよって思い出させてくれたような気がした。
・・・
夜は,またまた素敵な出会いがあった。
光の切り絵作家・酒井敦美さんという方が,黒潮町で光の切り絵展をやっていた。
壁や芝生に切り絵を映し出すという,ものすごい壮大な展示で,もうただただ感動。
子供たちは切り絵が映し出された芝生で走り回り,大人たちはただただ感動して涙。
こんな芸術の形ってすごい!ほんとにすごい!
私もいつか,私の写真で子供たちを笑顔に,大人たちを感動させてみたい!って思った。
新しい目標も出来て,この旅は終わり。
また,来年に向けて計画たてよ♫
2011.10.24