2011.10.15-16 高知

久しぶりに友人と会う約束をして,日程を合わせる。

友人「16日空いてる〜?」

私 「ごめん,高知行くねん。」

友人「また高知〜?高知すきやなぁ(笑)」

 

そうなんです。高知好きです。

今年のクジラ撮影の締めくくりとして,高知に行ってきた。

 

秋のシーズンの土佐湾では,去年と一昨年にニタリクジラが大群でいるのが発見されている。

海の透明度も上がるということで,このシーズンに高知に行くことにした。

 

14日,出発。

 

テレビでは,淡路島と徳島に大雨洪水警報の速報。15日も天気があまりよくなさそう・・・。

「一応明日は出航の予定です!」と連絡をもらったので,そのメールに望みをかけて出発。

 

でも・・・,警報って,やっぱり警報なんだなぁ。

車を運転していて,前が見えない!道路が悪くて水たまりにタイヤを突っ込もうものなら,

水しぶきがフロントガラスにかかって,一瞬ほんとに前が見えない。

我ながら「よくやるなぁ」と思いながらも,なんとか無事に高知の黒潮町へ。

かなりの緊張状態で運転していたからか,明日出航するか不安だからか,めずらしく寝付きが悪かった。

 

・・・

15日朝。

 

ドキドキしながら,部屋の窓を開けて外を見る。いつもこの瞬間が緊張する。

宿から見える海は,ちょっとうねりがありそうだけど,船は出れそうな感じ。

風もほとんどないし,雨も降ってない。

ウォッチングのスタッフの子から「本日出航します!」のメール。

ほっと一安心で,出発の準備を進める。

 

今回は,「大群ツアー」という名の一日ウォッチングツアー。

メンバーも,顔なじみの方も多い。クジラ好きの人たちは,必ずどこかでつながる。

 

いざ海へ。

やっぱりうねりがすごい。船がゆれるゆれる。

白波もすごくて,クジラを探すには悪条件。

出航から約3時間。前方にすごい鳥山!クジラがいてくれたらいいなぁと思ったら,ブローが!

「いたぁ〜〜〜〜〜!」

 

鳥がばしゃばしゃと水中に,しばらくするとシイラが飛び跳ねてる!

水面が白くなったと思ったら,ニタリクジラが体を横にして口をあける。

最後には,サメまで出てきて魚にたかる。

 

目の前に広がる海の動物の生命力と力強さが,ずしっと心に響いた。

 

写真はというと・・・,こういう光景は,水中に入らない限りなかなかとらえられない・・・。

う〜〜〜ん,やっぱり水中だなぁとひしひしと痛感。

 

でも,やっぱり「嵐の後の海は何かがおこる」。

 

・・・

 

16日

 

この日も,同じポイントでニタリクジラを発見。

前日とは違って,比較的まったりとしている。

 

波が高いからか,クジラは15分潜って,2〜5分水面にあがってくる。

 

私が初めてシロナガスクジラを見たときも,7分潜って,2分水面に上がってきてた。

その時は,シロナガスを初めて見た興奮と感動で,上がってくるのを待っている7分間も

幸せな時間だったことを思い出す。

 

クジラウォッチングは,ただ見たり写真を撮ったりするだけじゃなくて,

クジラの生活に少し触れることができるのもまた醍醐味だと思う。

 

写真を撮ることばかりにとらわれてしまいがちだった私に,今回のニタリクジラは,

それだけじゃないよって思い出させてくれたような気がした。

 

・・・

 

夜は,またまた素敵な出会いがあった。

光の切り絵作家・酒井敦美さんという方が,黒潮町で光の切り絵展をやっていた。

壁や芝生に切り絵を映し出すという,ものすごい壮大な展示で,もうただただ感動。

子供たちは切り絵が映し出された芝生で走り回り,大人たちはただただ感動して涙。

 

こんな芸術の形ってすごい!ほんとにすごい!

私もいつか,私の写真で子供たちを笑顔に,大人たちを感動させてみたい!って思った。

 

新しい目標も出来て,この旅は終わり。

 

また,来年に向けて計画たてよ♫

2011.10.24

よ〜く見たらシイラ(魚)が飛んでる
よ〜く見たらシイラ(魚)が飛んでる
芝生の上に光の切り絵が浮かび上がる。クジラの頭に乗る人も。      写真提供:sanuki氏
芝生の上に光の切り絵が浮かび上がる。クジラの頭に乗る人も。      写真提供:sanuki氏